飲みながらスペイン人と恋愛を語る夜

 vivo週末、ワインバルで、友人と彼女の友人であるスペイン人と落ち合った。スペイン人の彼は中国で買ったというド派手なTシャツを着ていてウケた。某洗剤のパッケージがモチーフというよりはそのまま転写されていて、使用方法などが妙な日本語で書かれている。外国人にとっては、日本語が書いてあるというだけでイケているように見えるのだろう。ヘンテコTシャツだが、それを着こなしてる感がスゴい。

 昔、ダブリンの雑踏のなか、もやしっこみたいなメガネをかけた青年が、 I’m huge in Japanという英語の下にどでかく「巨根」と書かれた鮮やかなオレンジ色のTシャツを着ているのを見て、ドン引きしたことがある。I’m huge in Japan.は、「私は日本で大人気です」という意味合いにもなるが、この場合「私は日本ではデカいです」という意味になるわけだ。う〜ん、言葉って面白いとか思う前に、とにかく引いた。マッチョなおじさんが着ているならまだしも、Tシャツの文言と少年の風貌があまりにもミスマッチで笑えなかったのだ。余計なお世話ながら、あの青年は巨根の意味を知っているのだろうか、教えてあげたほうがいいんじゃないかと悩んだが、説明したところで日本人がいきなり下ネタを振ってきたと思われるかもしれないし、もちろん知ってるよと言われたらリアクションに困るので、結局やめた。って話がそれちゃった。

 さて、お酒を飲みながら私たちはいろいろな話をした。彼の恋愛の話もした。ゲイである彼には長く付き合っているパートナーがいて一緒に来日しているが、そのパートナーは3ヶ月ほど日本に残って仕事をすることになっていた。場合によっては、それ以上に長くなるかもしれない。離れてしまうのは不安じゃない?と聞いてみる。現に彼のパートナーもそのバーに来る約束だったのに、日本で知り合ったゲイの友人と出かけてしまって現れなかった。自由だな。彼は、「寂しくなると思う。でも、彼にとって今回のことはいい機会だと思うんだ」と言った。彼自身も外国で仕事をするのが夢だったらしい。かつて、そういう機会が訪れたとき、外国に行ってしまったら当時の恋人と別れることになるだろうと思って、結局行かなかったのだそうだ。そしてそのことを悔やんでいる。だから、誰かにチャンスが訪れたら、その機会を邪魔するようなことはしたくないと言う。彼はヘンテコTシャツを着てはいても、落ち着いたおとなで、とても穏やかだった。

「あなたは、彼を信じる自分を信じているのね」と私は言った。
「そうだね、自分を信じていなかったら、彼のことも信じられないし、とても不安になるだろうね」と彼は答えた。
 結局、恋愛における気持ちのあり方は、男と女でも、男と男でも、きっと女と女であっても変わらないのだろう。

 その人のためにスペインに残ったのに、かつての恋人とは別れてしまったことについて、”He was a bad man.”(彼は悪い男だった)と彼は首を振りながら二度同じセリフを言い、ビールを飲んだ。それは残念だったけど、でもわかるわあ、悪い男って魅力的なのよねえと、えせオネエみたいな感じで私はうなずく。コイバナは古今東西、鉄板ネタだ。

 でも、まったり飲めたのはひとときだけで、その後、スペイン人宴会の怒濤の渦に巻き込まれることになるのだった。

↓2つのブログランキングに参加しています。ポチポチっと押して応援していただけたらうれしいです。
  読んでいただき、ありがとうございます。

ブログランキング・にほんブログ村へ 

This post is also available in : 英語

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントフィード

トラックバックURL: http://wild-oat.net/with-a-spanish-pal/trackback/