桜咲く

kero08桜の開花宣言が出された。数日後には、いっせいに桜が咲くのだろう。

先日、いつものように地元の友だちと飲みにでかけた。偶然知り合ってから数年、家が近いこともあり、同い年の彼女とはよく誘いあって飲みに行く。電車の時間も気にしなくていいし、すっぴんでも気兼ねなく飲みに行けるので、私にとってはありがたい貴重な友人である。

帰り道、彼女が「ねえ、見て」と言って、道ばたの桜の木の前でたちどまった。まだ樹齢が若い細身の桜の木は、すでに満開だった。「ああ、今年もやっちゃったね」と私たちはうなずきあう。

昨年の春も今年の春のように気温の上下が激しくて、だいぶ春には遠いのに、とても暖かい日があった。そして、その数日後にはまた冬に戻ったように寒くなるのだった。

そんなとき、かなり早い段階でこの桜は満開になった。ほかでも、若い桜の木がフライング気味に花を咲かせているのを見かけた。そして、いざ本格的な春が来て大方の桜の木々が満開になったとき、すでにその若い木々の桜はあとかたもなく散ってしまっているのだった。

きっと樹齢が古い木は春を知っているのだろう。三寒四温というのが体に染み付いているのだ。だから、少しばかり暖かくなったところで動じない。いわば経験値が違うのだろうな、と思った。

去年の春、この桜の木を見ながらそんなことを話していたのを思い出しての、今年もやっちゃったね、というセリフだった。

「ちょっとしたぬくもりに、舞い上がっちゃったのね」 「若いね」

ふふふ、と私たちは笑い、家路を急ぐ。

明日が早いという理由でいつもより早めに切り上げた私たちは、少しオトナになったのかもしれない。というか、もはや自制しないと、翌朝自分をのろうはめになることが身にしみてわかっているからなのだけど。

桜並木にさしかかって木々を見上げると、少しも咲いていない。いつ咲くべきかを知っていて、その時をじっと待っているかのようだった。さすがだ。

でも、咲きたいときに咲けばいい。これから春は何度もやってくるのだから。

私たちは、遠ざかる満開の桜の若木を、実はちょっとまぶしく、いとおしく感じているのだった。

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