テレビ台を捨てる女

いつになく片付けモードが続いていて、いろんなものを処分したい衝動にかられている今日この頃。

まずはガタがきていたベッド。通販で安物を適当に購入してしまったのを後悔していた。それがベッドに伝わったのかわからないが、収納の引き出しが壊れてバランスが崩れ、買い替える必要に迫られることになった。

そうすると、今度はテレビ台が気になって、こちらも処分することに決めた。ガタがきているとはいえテレビを置くだけならその役割は果たせていたのだけれど、何より飽きてしまったのだった。

前にも、急にテレビ台に飽きてリサイクルの店に売ってしまったことがある。計画性を持って処分したわけではなかったから、しばらくテレビは床に置いたままで過ごしていた。

わからんその頃、ちょっといいなあと思っている男の人と食事をする機会があった。ところがいっこうに話が盛り上がらない。いたたまれなくなって、どうしようかなあと困っていたところ、どんな流れだったか忘れたが、テレビ台を処分したからテレビが床に置いたままになっていることを話した。すると、相手がびっくりしたように目を見開いて言った。

「テレビ台を捨てた!? 次に買う予定もないのに?」

そして、テレビ台は必要なものなのに、この先それなしでどうやって生活していくのかと質問してきた。テレビ台がそんなに必要なものかどうかなんて考えたことがなかったので、「まあ、様子をみて考えます」とテキトーに答えておいた。

そんなへらへらしている私を見て、なんだか珍しいものでも見つけたかのように、「テレビ台を捨てるなんて信じられない」と、その人は笑ってビールを飲んだ。

別の話題を振ってみたのだけれど、それではやっぱり盛り上がらなかった。一方で、どこにツボがあるのかわからずに戸惑っている私などおかまいなしに、「テレビ台、捨てちゃうんだ。面白いなあ」と彼は時々つぶやいて、くすりと思い出し笑いをするのだった。

食いつくとこ、そこかいっ!と心でツッコミつつ、私には何が面白いのだかさっぱりわからなかった。

結局、その人とは連絡を取りあうこともなくなってしまったのだけど、彼の中に私の記憶が残っているとしたら、「テレビ台を捨てる女」としてインプットされているのではないかと思う。まったくもって不本意ではあるけれど。

さて、テレビは再び床に置かれたままだが、テレビ台を取り除いてしまうと部屋も気分もすっきりした。晴れ晴れとした気持ちになって得意げにそのことを話したら、友人に「また?」と呆れた顔をされた。

「前にもテレビ台を捨てたよね」と言う。

よくそんな前のこと覚えてるね、と悔し紛れに返すと、ふつう、テレビ台ってそんなに捨てないから、とさらに返された。

友人からも「テレビ台を捨てる女」と思われていたという衝撃。

どうしていつも捨てるのかと聞かれ、そんなに多くのテレビ台を捨てたつもりはないと思いつつも「なんか飽きちゃうの。突然、イヤになっちゃうのよ」と答える私。

「適当なので手を打つからよ」と手厳しい友人。

彼女は正しい。

でも、アタシはそんなに悪い女じゃない。

ただ、運命のテレビ台に、まだ出会っていないだけなのだ。

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